俊成卿女家集を書いて詠む・恋(9)-余情あふれて-

9.漕ぎ離れゆく
釈文:「漕ぎ離れゆく月かげぞ あはれなる蟲明(むしあけ)の末の風の音かな」

選字は「こ支離れ遊久月か希楚阿盤連那る 無しあ計乃松農風の於と可奈」

語釈:「月かげぞ」歌合では「月かげも」とある。「蟲明」は岡山県邑久郡邑久町大字虫明。歌枕。狭衣物語にある。

参考文献:平安鎌倉私家集 久松潜一校注 岩波書店