俊成卿女家集を書いて詠む(16)-余情あふれて-

16.葎の歌を現代風に
現代風に詠むと「荒れ果ててしまった家にも秋は来る 月の光が気をもませるよ」

「葎はふ・・・」の本歌は「木の間より洩りくる月の影見れば心づくしの秋は来にけり」『古今集』秋上 読人しらず

これは関戸本古今和歌集にも載っている歌である。この原本の選字は「このまよ利も利たる月の影三れ八 こヽろ徒久しの秋者支爾介利」

読みやすくするために、校注者が原本のかなを漢字に変換することがある。ただ書道として書く場合はその漢字にこだわりすぎずにかなや変体かなも用いて、和歌の掛詞や縁語にも留意したい。

参考文献:平安鎌倉私家集 久松潜一校注 岩波書店