俊成卿女の和歌(1)-新古今和歌集より-

1.藤原俊成卿女とその歌風は
解説:生年未詳。没年は建長六年(1254)。父は藤原盛頼、母は俊成女八条院三条。実父が鹿ケ谷の変に連座して失脚したため、母方の祖父である俊成の養女となった。

源通具に嫁し、一男一女をもうけたが、のち正妻の座を奪われ家を出ることとなった。その時に彼女の和歌の才能を認めた後鳥羽院に召され、建仁二年に出仕し、「俊成卿女」としてで千五百番歌合等で活躍した。

鎌倉時代前期の代表的な女流歌人で、新三十六歌仙の一人である。『新古今和歌集』には29首をはじめ、勅撰集に計116首を入集されている。

歌風はみやびで美しく、かつ技巧的である。繊細な恋歌や孤独をテーマにした傑作が数多くある。それにはこうした愛する夫に裏切られ、子供と引き離された現実の人生のつらい経験が背景にあり人々の心に響いたといわれている。

参考文献:和歌の解釈と鑑賞事典 井上宗雄他編 笠間書院