和泉式部日記を書く(六十八)-法師の-(1)

1.はかなくも
釈文:「法師のたふときがまうできて、扇をおとしたるにつかはすとて『はかなくも 忘られにける あふぎかな おちたりけりと 人もこそみれ』」

選字は「法師の多布と記可まう傳支て扇を於と志 多留爾徒可盤寸とて 盤か奈倶も王須ら連耳介る阿布支可奈 於遅多り遣里登人裳こ所三れ」

鑑賞:「あふぎ」男女が逢ふと扇をかける。「おちたりけり」扇が落ちたことと、僧が戒律を破って堕落することをかける。

歌意は「あなたに見捨てられた扇は気の毒なことです。それを女のところへお忘れになるとは人からなんと言われることでしょう。」

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社