和泉式部日記を書く(六十四)-かぎりあらん-(1)
1.八月ばかり
釈文:「八月ばかり人のもとに、萩につけて『かぎりあらん 中ははかなく なりぬとも 露けき萩の うへをだにとへ』」
選字は「八月者可利人農もとに萩爾つ介て 『か支里阿ら無那可者ヽ閑な久難りぬと毛 露希支萩乃う邉越多耳登遍』」
鑑賞:「八月ばかり」陰暦八月の秋。「露けき萩」涙に濡れた我が身のこと。
歌意は「限りのある二人の仲でしょうから、せめてこの露にぬれた萩のことぐらいは気にかけてくださればと思い、これをお送りします。」
参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社


