和泉式部日記を書く(五十五)-しのびたる男-(2)
2.おとせぬは
釈文:「おとせぬは くるしきものを 身にちかく なるとていとふ 人もありけり」
選字は「於とせぬ者倶留し支裳の越身耳遅か久 難る登て意度布人毛阿里介り」
鑑賞:「おとせぬ」衣ずれの音がしないの「音」と「訪れない」をかける。「身にちかくなる」は「身に近く鳴る」と「身近に馴れる」の意味をかける。
歌意は「衣ずれの音もさせないとは、おいでにならないことで苦しいのです。それを身に近く鳴るといって脱いでしまうとは、そういう方もいらっしゃるのですね。」
参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社


