雁塔と集字聖教序にみる楷・行書(6)臨書から
6.顕と以の行書
「顕」:偏と旁の比重はほぼ同等に、中をあかるくすべく点画の位置を考慮する。「頁」の終画を太く利かせて、偏との調整をとる。
「以」左の二点の間を狭くして、ふところを思い切って広くとることが重要である。この点は楷書とも共通している。
「点画の省略」:行書は文字の日常的に、実際速く書きやすくするために生まれた書体である。そのためにある程度、点画を省略することがある。
といっても、各自がそれぞれ省略していては一般性がなくなってしまうので、先人の約束に従い守らなければならない。「以」はその例で草書に近い省略がとられているので、そのまま覚える必要がある。
参考文献:集字聖教序 天石東村編 二玄社
