風がおびただしく吹く夢を見て（3）建礼門院右京大夫集を書いて

3.あの人に話したいことが

資盛に会って話がしたいけれどもかなわない作者が歌を詠みます。
「いはばやと　思ふことのみ　多かるも
　さてむなしくや　つひにはてなむ」

選字は、「い者はや登思布こと能見おほ可類毛
　　　　　佐て無なし具や徒日爾盤傳奈无」

歌意は、あの人に言っておきたいことがたくさんあるけれど、いたずらに時が過ぎ
　　　　言えないままついに終わってしまうのでしょうか。

都落ちした平家一門は、寿永2年に宗盛たちは安徳天皇を奉じて太宰府へ至ります。翌年には福原に至り、城郭を一谷に構えました。

　参考文献：建礼門院右京大夫集　糸賀きみ江校注　新潮社