亡き方をしのぶ(2)建礼門院右京大夫集

2.美しく輝いていた

建礼門院右京大夫集 祥香書

釈文:「みがきこし 玉の夜床に 塵つみて
    古き枕を 見るぞかなしき


選字は、「み可きこし玉の夜床爾ち利
     徒三てふ路支ま久羅越見る
     所かなし支」

歌意は、「かつては美しく輝いた玉のように、見事であった床に塵が積もり、枕が当時のままであるのは悲しいことでございます。」

実景が身に浮かぶほど、現実的なお歌ですが、悲しみも一段と切実に感じられます。

参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社