俊成卿女家集を書いてまなぶ(6)-北山三十首から-

6.歌意は
「うき世とやあだに契りし山櫻・・・」の
歌意は「どうせうき世と思って実現しそうもない約束をしたのだろうか、山桜は。峰の白雪と見間違える間もなく、慌ただしく散ってしまった。」

鑑賞:「うき世」は仏教的な「憂き世」と漢語の「浮世」(ふせい)との混じり合った語。無常の世を表し、生きることに苦しみの多い世界。

『伊勢物語』に「散ればこそいとど桜はめでたけれ うき世になにか久しかるべき」

古来より桜は散りぎわを愛でてきた。あっという間に散ってしまい、その美しい姿をとどめない桜を自らや世の中に重ね合わせたのだろう。

参考文献:平安鎌倉私家集 久松潜一校注 岩波書店