「蓮」の詩歌を臨書して(2)和漢朗詠集から

2.蓮の葉が伸びて

二首目「葉展影翻当砌月、花開香散入簾風」白

書き下し文は「葉展(の)びては影翻る砌(みぎり)に当れる月
       花開けては香散ず入る風」

現代語にすると「春の葉が伸びて、階段の下の石畳を照らす月の光の中で、ゆらゆらとひるがえっている。蓮花が開いて、あたりに振り撒かれた香りは、簾の中に入ってくる風とともに匂う。」

鑑賞:『白氏文集』「階の下の蓮」詩。中国の絵画になりそうな情景に想像はふくらむ。行書に草書を取り混ぜた文体が流麗である。

参考文献:粘葉本和漢朗詠集 二玄社
     和漢朗詠集 川口久雄訳注 講談社学術文庫