懐素の自叙帖を臨書する(1)狂草といわれて

1.懐素の自叙帖とは

蘇軾が細楷を書いた懐素・自叙帖の真蹟といわれる。宋代にすでに三本が真蹟と伝えられていた。これはその1っぽんでm本幅は紙本、縦28.3cm、長さ755cm末尾に蘇奢、李建中の題記、南唐・昇元四年の重装題記がある。

蘇氏が蔵した後、諸家にわたり現在は台北故宮博物院の所蔵である。

その書は、張謂(ちょうい)のいうように、奔蛇走爬、驟雨旋風の趣があり、狂草のすがたを表している。しかし、古法をよく学び、それから脱して草書三昧の妙境に至ったものである。

参考文献:自叙帖 懐素 藤原有仁解説 二玄社