蘇軾の細楷を臨書して(11)懐素自叙より

11.漢代におこり

釈文:「起於漢代。杜度・崔瑗。始以妙聞。」

書き下し文は「漢代に起こり、杜度(とど)・崔瑗(さいえん)、始
       めて妙を以て聞ゆ。」

鑑賞:「杜度」は後漢の章帝のとき始めて章奏(奏上文)を用いたといわれる。また、章草は漢字の書体の一。隷書から草書への過渡的な性格をもつ書体。前漢の元帝のとき史游(しゆう)が書いた字書「急就章」の書体から出たものともいわれる。

「崔瑗」は字は子玉、78~143は、東漢時代の政治家・文人。唐代の詩人・白楽天は、この『座右銘』に感動して『続座右銘序』を作った。崔瑗『座右銘』(『文選』第五十六巻)

「妙聞」は「妙」のマス目を十分に用いて雄大である。「聞」は大きくしたいところであるが、ほっそりとして動きがある。

参考文献:デジタル大辞泉