続・前赤壁賦を臨書して(11)粗食の意を読む

10.もし自分のものでなければ

釈文:「苟非吾之
    所有雖一毫而莫取」

書き下し文は「苟しくも吾の有する所に非ざれば、一毫と雖も取ること莫からん。」

現代語にすると、「かりそめにも自分の所有物でないならば、一本の細い毛ほどのわずかなものでも取るわけにはいきません。」

鑑賞:「吾之」しなやかな心地よい書き振りがよくわかるところである。墨をつぐとそこだけが浮いたりする場合もあるが、至ってさりげない。

参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社