気力に満ち迫力のある教長の書(2)長谷切を臨書して

2.仏名とは

長谷切 祥香臨

この漢詩は
「香火一爐燈一盞
 白頭夜礼仏名経」と続く七言絶句から抄出しています。

現代語にすると、「香炉一つに香を焚き、燈のさらに火をつけて、白髪の老僧が歳暮の
夜毎に仏名教を誦して礼拝しています。」

鑑賞:「戯れに経を礼する老僧に贈る」と題された七言絶句の起承句。
   仏名経とは、諸仏の名を大変多く列記し、唱えて年中の罪を悔いるお経。
   老僧が、仏名経を唱えても酒を絶てず戯れた作品で、仏名の夜の光景を描き、
   ユーモラスです。

 参考文献:和漢朗詠集 川淵久雄訳注 講談社学術文庫