いったいことばというものは何だろうか(2)荘子を書いて考えよう

2.人の怒りを買うのは

荘子 祥香書

人のことばは風や波のようです。
故忿設尤由巧言偏辞、獣死不
 擇音、氣息弗(草冠)然、於是並生心
 厲


書き下し文は、「故に忿(いかり)の設くるは巧言偏辞に由ることなし。
獣の死するときは音を択ばず、気息弗前たり。是に於て並びに心厲(し
んれい)を生ず。」

現代語にすると、「だから、人の怒りをかうのは、飾り立てたご機嫌取
りの言葉だけではありません。獣が追われて死にそうな時は、泣き声に
かまわず息づかいも荒くなり、激しい心を起こすのです。」

人は美辞麗句を並べたおべっかに対して、不快の念を抱く人もいます。
一方で人を追いつめてしまうと大変なことが起こると次に述べていきます。

 参考文献:荘子 金谷治訳注 岩波文庫