蘇軾・秋の清々しさを詠う(9)和分與可洋川園池うち二首

9.秋の陽光が

蘇軾作 何紹基書 祥香臨

「従教」〜するにまかせる
「匹練」一匹のねりぎぬ。「匹」は反物の布帛を数える語で、2反を単位とする。
「写秋光」秋の陽光を写す。

意味は、天が織った雲の錦と緞子が巻きおさめられたあとは、一匹のねりぎぬに秋の陽光が写し出される。

前半は湖畔に咲くハスの紅を緑の葉と対比し、後半では、徐々に色を変える朝焼け雲と、秋の陽光が湖に写し出される風景をうたいます。次第に色彩を変える朝焼け

雲を、天の機織りが織った金襴緞子といいます。横湖が白い布を広げたような湖であることから、それが様々な色に染まるという、幾層にもイメージが広がる詩です。
 参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明 二玄社