花見のお土産に(2)建礼門院右京大夫集から

2.近衛殿が中心となって・・

建礼門院右京大夫集  祥香書

本文から見ていきます。
近衛殿、二位中将と申しし頃」

 「近衛殿」は、近藤基通。安元二年十七歳で従二位、二位中将。
     永暦元年(1160)生。摂政藤原基実の長男、母は藤原忠隆の女。
     摂政、関白を歴任し、従一位。平清盛の女寛子を妻とした。

近衛殿が、まだお若く二位中将でいらした頃
隆房、重衡、維盛、資盛などの殿上人なりし」

 「隆房」は、藤原隆房、清盛の女婿、基通の従弟。
     久安四年(1148)生。藤原隆季の長男、母は藤原忠隆の女。
     加賀守、左中将、蔵人頭などを歴任、建仁四年権大納言。
     平清盛の四女が妻*①

お花見のメンバーは期待の若き公達で、その後のご活躍をみれば、なるほどと思われる方々ばかりです。その中で、悲運に巻込まれる方もいらして、切ない思いがします。

  *出典:① 建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社