花見のお土産に(1)建礼門院右京大夫集から

1.場面は一変して

今回は、一転して華やかなお花見の場面に移ります。
平家一門の公達と平家にゆかりのある方々とお花見をなさいました。

実際に、集われた方々は平清盛とご縁のある方々が多く、妻が女である場合もあります。
そこで、お土産を前に建礼門院右京大夫は、中宮徳子の代わりに歌を一首詠みます。

割合と本音に近い心の動きが出ていて、おもしろい和歌となっています。
それに対して、二首の返歌がありますが、一首は建礼門院右京大夫に向けられたものという説もあるようです。

中宮に仕える身として、才色兼備の建礼門院右京大夫の実力が発揮される場面となっていきます。

　　参考文献：建礼門院右京大夫集　糸賀きみ江校注　新潮社