心楽しく遊ぶ黄庭経(3)

3. 再び黄庭経を臨書する Copy Kouteikyou again

   「黄庭経」 心太平本 二玄社 祥香臨

王羲之の真跡は現存しません。双鉤填墨もしくは、刻帖によるものです。これは、
「心太平本」とよばれる宋拓本からの臨書です。

「黄庭経」は老子が書いたといわれる不老不死の養生訓です。王羲之の書いた細楷
の中では、「楽毅論」と共に著名です。

なかでも「黄庭経」は気韻の高い、なんとも言えない味わいのある書として多く、
臨本が残されています。字形は、やや扁平で横に広がり、払いが伸びやかで特徴が
あります。

この、えもいわれぬ味わい、妙趣ともよばれますが、というのは一体どこから生じ
るのでしょうか。そのヒントになりそうな書論がありましたので、次回ご紹介した
いと思います。