心楽しく遊ぶ黄庭経(4)

4. 「晋王右軍書論」にみる
『夫書者玄妙之技也。若非通人志士。學無及之。』
「それ書というものは、奥深く玄妙の技芸である。もし物事に通じたる人や志士で
なければ、学ぶとも書道には達せられぬ。」*

                     「墨場必携」 P1083  大文館書店

              黄庭経  二玄社             祥香臨

玄妙とは、幽玄で微かなことです。
つまり、簡単に得られる境地ではなく、鍛錬の末に達するであろうということです。

また、こういう記述もあります。
『凡書貴沈静。令意在筆前字居心後。未作之初結思成イ』
「すべて書というものは、第一におちつかねばならぬ意は筆前に在り字は心後に
 居らねばならぬ。さすれば、まだ書かぬ先に結思成るものである。」
                     「墨場必携」 P1087  大文館書店

書道の醍醐味は、その奥深さにあります。そして、たゆまぬ研鑽が、その道を行く者に
とっては不可欠でしょう。単に技の習得にとどまらず、さらに深く掘っていくことで、
人の心の琴線に触れるのかもしれません。