2020-08-25 / 最終更新日時 : 2020-08-20 タオ 思慕の情 憧れの君を見る人の(3)-建礼門院右京大夫 3.あなたも憧れておられるのでしょう 頭中将実宗が、言われます。釈文:「ただ今の御心のうちも、さぞあらむかし」といはるれば、物の端に書き手さし出づ。 なかなかに 花の姿はよそに見て あふひとまでは かけじとぞ思ふ […]
2020-08-24 / 最終更新日時 : 2020-08-20 タオ 思慕の情 憧れの君を見る人の(2)-建礼門院右京大夫 2.維盛を見る女性は 頭中将実宗の歌「うらやまし 見と見る人の いかばかり なべてあふひを 心かくらむ」 歌意は、「うらやましいことだ、維盛を見るすべての女人は、どんなにか 一緒になれる日をひそかに願っていること […]
2020-08-23 / 最終更新日時 : 2020-08-20 タオ 思慕の情 憧れの君を見る人の(1)-建礼門院右京大夫 1.うらやましいほど 頭中将実宗に、「これほど美しい容姿であったならば、とらわれの心が生まれてよくないことだろう」とまで言わしめた維盛の凛々しい姿でした。 前回と少し重なるところがありますが、釈文は「中将、『あれがやうな […]
2020-08-22 / 最終更新日時 : 2020-08-09 タオ 思慕の情 若き維盛の警固姿に(5)建礼門院右京大夫は 5.美しすぎると命が惜しい 前回、頭中将は、「維盛のように、美しい容姿であったならば、命が惜しくてかえってよくないことだ」と述べています。 それは、なぜでしょうか。現代では、美しさに羨望の眼差しが注がれることがあっても、 […]
2020-08-21 / 最終更新日時 : 2020-08-09 タオ 思慕の情 若き維盛の警固姿に(4)建礼門院右京大夫は 4.絵物語を見るようで 現代語訳を続けますが、底本に「ふたえ」とあるのを、「ふたあゐ」と改めてあります。*① 「二藍(赤みを帯びた藍色)の色が濃い直衣(平常服)に括り袴、若楓(表が薄萌黄色、裏は薄紅梅色)の衣、その季節の […]
2020-08-20 / 最終更新日時 : 2020-08-09 タオ 思慕の情 若き維盛の警固姿に(3)建礼門院右京大夫は 3.警固姿は凛々しくて さらに、もう一語「警固の姿」とは賀茂祭の前々日の未の日から翌日まで、近衛府の中将以下が束帯または直衣に弓矢・剣を帯し冠に巻れいをつけた服装で警固にあたることです。 それでは、現代語訳を試みますと、 […]
2020-08-19 / 最終更新日時 : 2020-08-09 タオ 思慕の情 若き維盛の警固姿に(2)建礼門院右京大夫は 2.賀茂神社の祭礼に 使われている語彙を少し見ていきましょう。みあれ:御生と書き、賀茂神社の祭神、別雷命の生誕祭といわれます。 藤壺:宮中五舎の一つ、飛香舎、清涼殿の北、弘徽殿の西に位置します。 壺(中庭)に藤が植え […]
2020-08-18 / 最終更新日時 : 2020-08-09 タオ 思慕の情 若き維盛の警固姿に(1)建礼門院右京大夫は 1.平家の若武者 再び、頭中将実宗が現れ、4月のお祭りの頃、平家の若武者に声をかけます。 「おなじ人の、四月みあれの頃、藤壺にまゐりて物語せしをり、権亮藤壺のとほりしを呼びとめて、「このほどに、いづくにてまれ、心とけて遊 […]
2020-08-17 / 最終更新日時 : 2020-08-08 タオ 思慕の情 「琴ひけ」と言われ建礼門院右京大夫は(5) 5.見事な返し歌 いよいよシーンは佳境に入ります。琵琶の名手である頭中将実宗が、「琴ひけ」と言われ、文をよこします。 「松風の響きもそへぬひとりごとは さのみつれなき音をやつくさむ」 「つれなき」は、連れ、合奏ができない […]
2020-08-16 / 最終更新日時 : 2020-08-08 タオ 思慕の情 「琴ひけ」と言われ建礼門院右京大夫は(4) 4.和歌も琴の音を松風に喩えた 琴の音を松風に喩えることが、好まれました。 「琴の音に峰の松風通ふらし いづれのをより調べそめけむ」 斎宮女御 『拾遺集』雑上と、歌われています。 歌意:静かな夜、 […]