初めて見そめたような星月夜(5)建礼門院右京大夫集から

6.これまでとは違って

建礼門院右京大夫集 祥香書

釈文:「さきざきも星月夜見馴れたることなれど、これはをりか
    らにや、ことなる心ちするにつけても、ただ物のみおぼ
    ゆ。」

選字:「佐支ヽヽも星月夜見奈れ多ること
    那連と故れ者越利可らにやこ登奈る
    心地寸流爾つ希て毛堂ヽ物農みお
    ほゆ」

大意は、「これまでも星の光が月のように明るく輝く夜はありま
     したが、今宵は都から離れていることもあってか、格
     段に素晴らしいにつけても、物思いばかりいたしま 
     す。」

鑑賞:「星月夜」は「ほしづくよ」ともいいます。
 参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社