逢瀬を重ねた思い出の地・北山は(7)建礼門院右京大夫集を書いて

7.かつて見事なお庭は

建礼門院右京大夫集 祥香書

釈文:「露消えし 跡は野原と なりはてて
    ありしにも似ず あれはてにけり」

選字は、「露きえ志跡者野原と奈り盤傳ヽあ利し
     耳裳に春あれ盤て爾希里」

歌意は、「あの人が亡くなった後のお庭は荒れ果てて野原のようで、以前とは似ても
     似つかなくなってしまいました。」

鑑賞:「露」と「野」は縁語です。
 参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社