4.花は散るも散らずも 朗詠の声や管弦の音が響き、夜も更けていきます。しかし、それだけでは終わらず、帰りがたい様子が描かれます。 釈文：「あけがたまでながめしに、花は散り散らずおなじにほひに、月もちとるにかすみあひつつ、 […]

3.遊びをし尽して 釈文：「内より隆房の少将の、御文もちてまゐりたりしを、やがてよびて、さまざまのことどもつくして、のちにはむかし今の物語などして」 選字は、「内よ里隆房農少将の御文もちてまゐ　　　　　り多利志越や可弖よ […]

2.花のさかりに 六行目から、釈文：「花のさかりに月明かりし夜を、『ただにやあかさむ』とて、権亮朗詠し、笛吹き、経正琵琶ひき、御簾のうちにもことかきあはせなど、おもしろくあそびしほどに」 選字は、「花の佐可利耳月明可り志 […]

1.中宮のご兄弟 釈文：「春頃、宮の西八条に出でさせ給へりしほど、大方にまゐる人はさることにて、御はらから、御甥たちなど、みな番にをりて、二、三人はたえずさぶらはれしに」 選字は、「春ころ宮の西八条爾いて佐せ多ま　　　　 […]

2.おろそかには致しません 釈文：「なほざりに　思ひしもせぬ　言の葉を　　　　風のたよりに　いかが散らさむ」 選字は、「なほさ利耳於もひし毛　　　　　勢ぬこと能葉を風の多よ里　　　　　爾い可ゝ千ら佐無」 「なほざり」は、 […]

1.御匣殿（みくしげどの）の 釈文：「御匣殿の里にひさしくおはせし頃、弁の殿の、その御里へまゐりてかへりまゐられたりし、「などかこのたよりにもおとづれはせぬ」とのたまひしかば」 選字は、「御匣殿の佐と爾ひさし九　　　　　 […]

5.どなたのことかしら 釈文：　「かへし おぼつかな折りこそしらね　たれに思ひ深きみ山の　紅葉なるらむ」 選字は、「かへ志おほつ可折利こ處しらねた連耳思比希可支みや万農も見ち那るら無」 歌意は、あやふやなことですこと。折 […]

4.深い山の紅葉をあなたに 　「君に思ひ深きみ山の紅葉をば　あらしのひまに　おりぞしらする」 選字は、「き三爾於も日希可支見や万農　　　　　毛遅越者あ羅志能飛萬耳　　　　　折利所しら須る」 歌意は、深く想っているあなたに […]

3.忠度から見事は紅葉枝 釈文は、「忠度の朝臣の西山の紅葉みたるとて、なべてならぬ枝をことせて、結びつけたる。」 選字は、忠徳の朝臣乃西山農紅葉　　　　見多流とて難へ弖ならぬ　　　　枝をおこ勢てむ春飛徒介　　　　多る 大 […]