朝霧のようにおかくれに(5)-建礼門院右京大夫

5.和歌一首を詠む

建礼門院右京大夫集  祥香書

建礼門院右京大夫は、故建春門院の仏事を拝見して、あはれにも感じて、歌を詠みます。

 (ニ)「九重に御法の花の にほふけふや 
   きえにし露も ひかりそふらむ」*①

選字:九重耳御法の花の爾ほ不
   介布やきえ爾し露毛ひか
   り所ふらむ

「御法の花」は法華経の訓読で、「露」は縁語です。
意味は、「宮中で盛大に執り行われました、法華八講は、朝霧のようにお隠れになった
女院様に輝くばかりの仏果を授かっていることでしょう。」

故建春門院が、お亡くなりになったことを朝霧のようにと表し、天上に上り成仏されていると想像しているのです。

 *出典:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社