雲の上にひかりを見る-建礼門院右京大夫(3)

3.宮中でのお仕事はうれしい

建礼門院右京大夫集 祥香書

後半を読んでいきましょう。
釈文「目もあやに見えさせ給しを、物のとほりより見まゐらせて、心におもひしこと。

 雲のうへに かかる月日の ひかり見る
 身の契りさへ うれしとぞ思ふ」

選字:「免もあや爾見え佐へ多まひ志越もの
    の登ほりよ利見まゐら勢てこゝろ二
    おもひしこと
      
      雲乃う遍爾可ゝ 流
      徒支日能飛可り見る
      み農ち幾利沙へう
      禮しとぞ於もふ」

  宮中にお仕えして、雅な世界を目の当たりにした感動があらわれている箇所です。
  さぞ、艶やかであったのことが推察されて、高揚した気分がこちらにも伝わってきます。