10B鉛筆でかな古筆を書く(4)

4.渇筆は薄く Scratchy Strokes

四句:としふる人ぞ
『と』は前の字を受けて、『ゞ』使っています。句をまたいでいても、
同じ行中で、すぐ下にあれば省略することができます。

『し』は『志』を用いて少し動きを出し始めます。『志』の草書は
変体かなとして、しばしば使われます。
『ふ』の元の字は『不』ですが、共によく使われる文字です。
向きを『志』と変えているので、横の動きが出ています。

『る』は『留』が元の字であり、草書体をさらに簡略化したものです。
『留』の草書体を『る』として使うこともあります。

『ひと』は『人』を使い、思いっきり大きく展開しています。この際、
左側と右側の空間の開き方が、同じにならないように気をつけます。
左右が同じ長さになると、途端に動きがなくなり止まって見えるから
です。

『そ』を『曽』と書いていますが、草書体です。『人』の中にすっぽり
と入っているので、文字の大小が強調されています。

渇筆は、筆の場合、カスレがあり、墨が少なくなる所です。
鉛筆の際は、圧力を弱めて、やさしく紙と鉛筆が触れるようにすると
良いでしょう。

ともかく、単調にならないように心がけることで見えて
くるものもあると思いますので、書いてみてください。