2023-01-22 / 最終更新日時 : 2023-01-21 タオ 古筆の美しさ 詩書切を臨書し特徴をよむ(7)和漢朗詠集から 7.路の草も伸び 「傅野無人路漸滋」 書き下し文は「傅野に人無くして路漸くに滋し」 鑑賞:「傅野」を抑え気味に書き、「無」の横画で大きく展開している。「人」へ連綿し、さらに右へ張り出して印象的である。 「路」を「人」の中 […]
2023-01-21 / 最終更新日時 : 2023-01-21 タオ 古筆の美しさ 詩書切を臨書し特徴をよむ(6)和漢朗詠集から 6.山に春の草は 「華山有馬蹄猶露」 書き下し文は、「華山に馬ありて蹄なほ露はる」 鑑賞:「華」は横画を太く、縦画はほっそりと瀟洒である。「山」は和様の風もあり、たっぷりと墨をつけてリズムが良い。 「蹄」の終角は思い切っ […]
2023-01-20 / 最終更新日時 : 2023-01-21 タオ 古筆の美しさ 詩書切を臨書し特徴をよむ(5)和漢朗詠集から 5.住みなれた古巣は 「舊巣為後属春雲」 書き下し文は「旧巣は後のために春の雲に属(あつら)ふ」 全体を現代語にすると、「うぐいすが、谷をでようとするする今、前の残雪を分けて新しい道を求めようとしている。住みなれた古巣は […]
2023-01-19 / 最終更新日時 : 2023-01-21 タオ 古筆の美しさ 詩書切を臨書し特徴をよむ(4)和漢朗詠集から 4.うぐいすは谷を出ようと 「新路如今穿宿雪」 書き下し文:「新路は如今(いま)宿の雪を穿(うが)つ」 「新」は偏と旁の強弱をはっきりとわけて印象的である。偏は太く複雑に密を作り、これとは対照的に旁は細くあっさりと余白を […]
2023-01-18 / 最終更新日時 : 2023-01-21 タオ 古筆の美しさ 詩書切を臨書し特徴をよむ(3)和漢朗詠集から 3.早春即事 実際の「詩書切」は、藍の雲紙に金銀の揉み箔を一面に散らした料紙である。 一字ずつ見ていこう。「早春即事」:「早」は草書で書かれやや小さめにはじまる。「春」は上の字を受けて一画めは右上がりに始めながら終画は少 […]
2023-01-17 / 最終更新日時 : 2023-01-19 タオ 古筆の美しさ 詩書切を臨書し特徴をよむ(2)和漢朗詠集から 2.和漢朗詠集の始まりは 始めの漢詩「早春即事」は『和漢朗詠集』巻上「春・鶯」に入っている。『和漢朗詠集』は970年ほど前に藤原公任が、娘が結婚するときに婿への引き出物として当時朗詠されてい たものに、自らが新たに選び加 […]
2023-01-16 / 最終更新日時 : 2023-01-19 タオ 古筆の美しさ 詩書切を臨書し特徴をよむ(1)和漢朗詠集から 1.筆跡の特色は 原本は東京国立博物館に所蔵されている「詩書切」である。一見して、細太がはっきりとしてリズミカルな小気味良い運筆である。臨書をすると、一画一画を繊細に変化させながら、転折は硬くなりすぎず柔らかく次へとつな […]
2023-01-15 / 最終更新日時 : 2023-01-14 タオ 古筆の美しさ 変化に富む筋切を臨書する(3)古今和歌集第四巻 3.秋きぬと 内容は、釈文:「秋上 秋立ひ読る 藤原敏行 秋来とめにはさやかに見えねど も風の音にぞ驚かれぬる」 選字は、「秋立日読る 秋来と免爾者さや可に見えねと 无風 […]
2023-01-14 / 最終更新日時 : 2023-01-14 タオ 古筆の美しさ 変化に富む筋切を臨書する(2)古今和歌集第四巻 2.筆者は 筆者は、藤原佐理と伝えられていましたが、今日の研究によって異なることがわかってきました。 三蹟の一人である藤原行成の曾孫、定実の書と推定されます。定実は「元永本古今和歌集」(国宝、東京国立博物館蔵)などを遺し […]
2023-01-13 / 最終更新日時 : 2023-01-14 タオ 古筆の美しさ 変化に富む筋切を臨書する(1)古今和歌集巻第四巻 1.筋切とは「筋切」の名の由来は、料紙にあります。東京国立博物館に所蔵されている本作には、縦に銀泥の線(筋)が四本見られます。これは、もともと歌合の清書料紙を切断して横転させて用いたものと考えられています。 本来は、歌合 […]