2020-09-24 / 最終更新日時 : 2020-09-11 タオ 思慕の情 恋にも様々あり題詠歌(3)建礼門院右京大夫 3.谷の辺りで鳴く鹿は・・・ 「谷の辺の鹿」とは、谷の辺りで鳴く鹿のことです。鹿が鳴くのは、雄鹿が雌鹿を恋い慕っているといわれています。 例えば、「奥山にもみぢふみわけなく鹿の声聞くときぞ秋はかなしき」読み人知らず(古今 […]
2020-09-23 / 最終更新日時 : 2020-09-11 タオ 思慕の情 恋にも様々あり題詠歌(2)建礼門院右京大夫 2.互いにつねに聞く恋 「互ひにつねに聞く恋」とは、互いにいつも相手の噂を聞くものの会うことができない恋、の意味です。 「ありときかれ われもききしも つらきかな ただ一すぢに なきになしなで」 選字は、「ありと幾可 […]
2020-09-22 / 最終更新日時 : 2020-09-11 タオ 思慕の情 恋にも様々あり題詠歌(1)建礼門院右京大夫 1.尾花が袖とは? 夕暮れに野の花のそばを通りすぎる、という題の意味です。尾花、ススキの穂がすでに出始めており、秋が深まりゆくことを感じます。 「尾花が袖」は、ススキの花穂は風に吹かれ揺れる様を、恋しい人を招く衣の袖に見 […]
2020-09-21 / 最終更新日時 : 2020-09-06 タオ 思慕の情 過ぎ去ったかつての恋(5)建礼門院右京大夫 5.曇りの日の夜に・・ 最後は、「くもる夜の月」の題で 「くもる夜をながめあかして こよひこそ 千里にさゆる月をながむれ」 選字は、「久も流夜をな可免あ可して こ餘日こそ地沙と二散ゆる 月を那可旡連」 […]
2020-09-20 / 最終更新日時 : 2020-09-06 タオ 思慕の情 過ぎ去ったかつての恋(4)建礼門院右京大夫 4.片思いは恥ずかしい?今回の題意は、「片思ひをはづる恋」、片思いをはずかしく思う恋の意です。 「おきつなみ岩うつあはびがひ 拾ひわびぬる名こそ惜しけれ」 選字は、「於支つなみい者う徒意そ能 あは日かひゝろ飛 […]
2020-09-19 / 最終更新日時 : 2020-09-06 タオ 思慕の情 過ぎ去ったかつての恋(3)建礼門院右京大夫 3.仙人の家に卯の花 二句目は「仙家卯花」、仙人の家の卯の花という題意です。前回の「往時の恋」から「仙人の家」に飛びますが、これは、素性法師『古今集』(秋下)の歌をふまえています。 「露ふかき山路の菊をともとして 卯 […]
2020-09-18 / 最終更新日時 : 2020-09-06 タオ 思慕の情 過ぎ去ったかつての恋(2)建礼門院右京大夫 2.亡夫石の伝説人を恋い慕う思いに耐えかねて、石になってしまった話は、当時知られていたようです。*①「亡夫石」は中国湖北省武昌の北山にある石のことです。貞婦が出征する夫をこの山上に見送り、そのまま石になったと伝えられてい […]
2020-09-17 / 最終更新日時 : 2020-09-06 タオ 思慕の情 過ぎ去ったかつての恋(1)建礼門院右京大夫 1.往時の恋 さらに、建礼門院右京大夫の題詠は多才になってきます。 「往時恋」では、過ぎ去った昔の恋と題し詠みます。 「あはれしりて たれか尋ねむ つれもなき 人を恋ひわび 石となるとも」*① 選字は、「あは連し […]
2020-09-16 / 最終更新日時 : 2020-09-03 タオ 思慕の情 建礼門院右京大夫、題詠歌を詠む(5) 5.心を二つに分けて 四句目は、「秋の月に対し、春の花を待つ」の題で、 「はやにほへ心をわけて夜もすがら 月を見るにも花をしぞ思ふ」*① 選字は、「八や爾ほへ心をわ介てよ裳す から月越三る耳毛者那を […]
2020-09-15 / 最終更新日時 : 2020-09-03 タオ 思慕の情 建礼門院右京大夫、題詠歌を詠む(4) 4.鶯の声に何がある? 年が改まるときに、待たれるものは鶯の声、という歌がありました。ここでは、「鶯有慶音」と題し、「鶯の声によろこびの響きがある」という題意です。すでにこの題の設定によって、景色が浮かびます。 「のど […]