2022-03-19 / 最終更新日時 : 2022-03-18 タオ 思慕の情 湯治に来た友へ歌を贈る(6)建礼門院右京大夫集から 6.栗も笑う 「栗も笑み をかしかるらむと 思ふにも いでやゆかしや 秋のやまざと」 選字は、「栗も笑三越可し閑流らむと思ふ爾 もいてや遊可しやあ支の山佐と」 鑑賞:「笑み」は笑うこと。から転じて花がひらくこと。 […]
2022-03-18 / 最終更新日時 : 2022-03-18 タオ 思慕の情 湯治に来た友へ歌を贈る(5)建礼門院右京大夫集から 5.椎の実をひろい 五句目「椎ひろふ 賤も道にや まよふらむ 霧たちこむる 秋のやまざと」 選字:「志ひヽ路布しつ毛三遅にやまよ不 羅无支梨多ち故牟る秋の山さと」 歌意:椎の実を拾う村人も、霧の立ち込めた秋 […]
2022-03-17 / 最終更新日時 : 2022-03-17 タオ 思慕の情 湯治に来た友へ歌を贈る(4)建礼門院右京大夫集から 4.うらやましいこと 「うらやまし ほた木きりくべ いかばかり み湯わかすらむ 秋のやまざと」 選字は、「う羅やまし本多木ヽ利倶へい可は可利 美遊わ可須らむ阿きのや万佐と」 鑑賞:「ほた木」とは、焚き火などに使う […]
2022-03-16 / 最終更新日時 : 2022-03-16 タオ 思慕の情 湯治に来た友へ歌を贈る(3)建礼門院右京大夫集から 3.めずらしい鹿の音 二句目「めづらしく わが思ひやる 鹿の音を あくまで聞くや 秋のやまざと」 選字は、「免徒らし具わ可於も日やる鹿の 年を阿久まて記久やあきのや万散と」 鹿の鳴き声は、古来より短歌に詠まれてき […]
2022-03-15 / 最終更新日時 : 2022-03-15 タオ 思慕の情 湯治に来た友へ歌を贈る(2)建礼門院右京大夫集から 2.月の光が霜かと 「真柴ふく ねやの板間に もる月を 霜とやはらふ 秋のやまざと」 選字は、「真柴布久年やのい多まにもる月を し裳とや盤羅ふ秋の山佐と」 歌意は、茅葺の家で寝床の板の間に、洩れてくる月の光を霜と […]
2022-03-14 / 最終更新日時 : 2022-03-14 タオ 思慕の情 湯治に来た友へ歌を贈る(1)建礼門院右京大夫集から 1.中宮にお仕えしていた頃 かつて中宮にお仕えしていた時のお友達が湯治に山里へ来るというので歌を贈りました。 「宮にさぶらひし雅頼の中納言の女、輔どの問いひしが、物いひをかしく にくからぬさまにて、なにごとももうしか […]
2022-03-13 / 最終更新日時 : 2022-03-12 タオ 思慕の情 心が体からはなれて(2)建礼門院右京大夫集を書く 2.上の空で もう一首詠みます。「あくがるる 心は人に そひぬらむ 身の憂さのみぞ やるかたもなき」 選字は、「あ具駕流(る)心者人爾所ひぬら無身農 有佐の三曽やる可たも奈支」 鑑賞:現代の「あこがれる」の元にな […]
2022-03-12 / 最終更新日時 : 2022-03-12 タオ 思慕の情 心が体からはなれて(1)建礼門院右京大夫集を書く 1.夕暮れになると なんとなく、物思いにふけっていると思い出すのはあの人のことで、 「なにとなく、ねやのさ筵うちはらひつつ、思ふことのみあれば、 夕されば あらましごとの おもかげに 枕のちりを うちはらひつつ」 選字 […]
2022-03-11 / 最終更新日時 : 2022-03-10 タオ 思慕の情 枯野にぬれた荻は(5)建礼門院右京大夫集から 5.枯野の霜よ 釈文「霜さゆる 枯野の荻の つゆのいろ 秋のなごりを ともにしのぶや」 選字は、「志も佐ゆる枯野の荻農つ遊乃意路 秋の難こ利と毛にし乃ふや」 歌意は、冷えて霜が降りた枯野の荻に置かれた露の色よ […]
2022-03-10 / 最終更新日時 : 2022-03-10 タオ 思慕の情 枯野にぬれた荻は(4)建礼門院右京大夫集から 4.芽のふっくらとした若葉が 時雨に濡れた枯野の荻は、色を加えつややかで、芽のふくらんだ若葉の緑青色がところどころに見えます。 「冬になりて、枯野の荻に、時雨はしたなくすぎて、ぬれいろのすさまじきに、 春よりさきに、 […]