秋八月になり、石山参籠へ(3)和泉式部日記を書いて

3.童の話では
釈文:「童『ひと日まかりてさぶらひしかば、石山になん、このごろおはしますなる』と申さすれば『さは、けふは暮れぬ。つとめて、まかれ』とて」

選字は「童ひと日まか里亭佐布ら飛し可八石山二 那無このこ路お盤しま須奈ると申佐寸連盤 さは希不者暮れぬ徒と免てま可れとて」

鑑賞:「童」は小舎人童のこと。「申されば」は童が宮に直接ではなく、右近の尉など人を通じて申し上げた。

大意は「妾が申すには、先日あの方の所へ伺いましたところ、石山寺へおいでとのことです。人を通して申し上げましたら、今日はもう遅い。明日の朝早く、伺いなさい、とおっしゃって」

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社 和泉式部日記 清水文雄校注 岩波文庫