寸松庵色紙を鉛筆で鑑賞する(1)

  1. 寸松庵色紙は茶掛としても珍重されました 
    The Sunshouan was prized as the hanging scroll for
    the tea ceremony

    茶の湯は総合芸術であると言われますが、掛物も重要な役割を
    担っていました。
    特に、寸松庵色紙は、佐久間将監(1570〜1642)が所持し、
    住まいとしていた寸松庵の襖に扇面と共に貼り合わせていた
    ものでした。

    この寸松庵は大徳寺の龍光院から派生した小寺で、茶室も
    有していました。これが、茶人に愛好される所以でもあります。

    掛け物としての起こりは、仏教に付随した壁画や仏画に由来
    するそうです。そのため、当初は高僧による墨跡が中心でした。

    古筆が茶掛として登場するのは、かなり時代が下った江戸時代
    後期のことでした。さらに、大茶会に古筆が掛けられるように
    なったのは明治時代以降でした、

    それは、ちょうど古筆の素晴らしさに書家を始め、研究者や
    蒐集家が、目覚めた頃と一致します。