行書般若心経(4)集字聖教序より

4.心とは
最後の「心経」は漢語である。般若波羅蜜多が仏の教えの中で肝心要なものであるから「心」といった。

心といって、名をつけると何か実体があるかのように錯覚するのが常である。心というものは本来ないものであるが、「見」によってあやまる。ものを見て善いものと見たり、悪いものと見たり、自分に都合のよいようにものを見る。これが迷いの本となる。

心は本来、名もなく、相(すがた)もないから活発にはたらく。だから全体にひろがり自由自在な働きができるものなのだ。

参考文献:般若心経講和 鎌田茂雄著 講談社学術文庫