故郷に帰り恬淡な暮らしを(4)李頎の詩より

4.心が安らかで

釈文:「澹泊眞吾事 清風別自茲」
書き下し文は「澹泊 真に吾が事 清風 別に自ずから茲(しげ)し」

鑑賞:「澹泊」あっさりして無欲。「清風」清らかな風。「別自茲」自ずから特別に多い。

現代語にすると「心が安らかで欲がないとは、まさに私のこと。清らかな風が自ずから特別に吹いてくる。」

書の特徴:「吾事」「吾」を小さく作り、「事」は細長くあっさりと書いている。「風別」「風」は右寄りに傾けて、「別」は長くして左の余白を生かしている。

参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社