はかない夢のような世の中で(1)和泉式部続集切を臨書して

1.はかないものと

釈文:「はかなしと まさしく見つる ゆめのよに おどろかでねる われは人かは」

選字は「盤可奈しと万さし久見つるゆめのよ爾おとろ可 天年るわれ盤人可は」

書風:リズミカルに細かい書線を連ねている。「なし」の「し」は長く伸ばして貫通力がある。

現代語にすると「はかないことと、まさに自分で見た夢のような世の中に、目が覚まさず仏心を起こさないで寝ている私は人なのだろうか。」

参考文献:和泉式部続集切 伝藤原行成筆 二玄社