俊成からの返事に(2)建礼門院右京大夫集より
2.昔のことを
釈文:「『かやうによろこびいはれたる、なほ昔のことも、物のゆゑも、知ると知らぬとは、まことに同じからずこそ』とて」
選字は「かやう爾よ露こひい者れ多る奈ほ昔の こ登毛物農遊衛もし類と志ら ぬと波万こと耳おな事可羅寸こ處 度弖」
鑑賞:「昔のこと」は俊成が昔、後白河法皇より撰集するよう院宣が下された。これが第七番目の勅撰集『千載和歌集』となった。その院宣は当時蔵人頭右中将資盛の奉書だった。
大意は、「『このようにお祝いの言葉をいただいて、昔のことも、ものの由来も知る人と知らない人とでは、まことに違うものですね。』として」
参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社