七夕の笹に五色の糸をかけて(5)建礼門院右京大夫集より

5.年に一度、間違いなく

釈文:「なにごとも かはりはてぬる 世の中に 契りたがはぬ 星合の空」

選字は「なにこ登毛駕者利波てぬる世の中二 地支梨多可はぬ星合乃楚ら」

鑑賞:「契りたがはぬ」年に一度だけ、牽牛星と織女星が出逢うことだけは変わりがないこととして、我が身に引き比べても作者の感動は高まる。

歌意は「どのようなことも変わり果てた、この世の中で年に一度の星合の契りだけは間違いなく行われていることだ。」

参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社