行草書巻・その一(1)董其昌を臨書する

1.手貝葉像

釈文:「其一 手貝葉像
    大海有漚。漚卽全海。
    向法海中。」

書き下し文は「大海に漚有り、漚は卽ち全海。
       法海中に向かいては」

鑑賞:「大海」と書いて字幅を広げた下に「有」を小さく入れている。「漚」は渇筆ぎみに書き、同じ字を草書にして変化をつけ、墨を入れて異なる字のように配置している。

「海中」では「海」の旁の縦画をやや右へ傾けて変と作りの間に余白をあえて作り、字の幅を広くしている。その下に「中」を恋墨でしっかりと書いて印象的である。

参考文献:董其昌集 二玄社