行草書巻・董其昌を臨書して(4)羅漢賛から

4.貝葉一片

釈文:「貝葉一
    片大蔵裏許」

書き下し文は「貝葉一片、大蔵の裏許」

鑑賞:「貝葉」(ばいよう)とは、椰子などの植物の葉を加工して、紙の代わりに用いた筆記媒体。東南アジア、南アジアで多く利用された。貝多羅葉(ばいたらよう)の略称である。

「貝」と「葉」は連綿線でつながっていて一時のように流麗である。

「大蔵」大蔵経は仏教聖典の総称。経蔵・律蔵・論蔵の三蔵およびそれらの注釈書を網羅した叢書。パーリ語・チベット語・モンゴル語・満州語・漢語のものが現存している。一切経。蔵経。

「許」は渇筆の中じっくりと墨をしぼり終画の縦画に食い込みがあり力強い。

参考文献:董其昌集 二玄社