行草書巻・董其昌を臨書して(2)羅漢賛より

2.羅漢とは

釈文:「羅漢賛
   名身句身如月標指。悟
   或遮眼。」

書き下し文は「羅漢賛 名身句身は、月を標す指の如し。
       悟れば或いは眼を遮り」

鑑賞:「羅漢」は阿羅漢(arhatの音写)の略称。応具(おうぐ)と訳される。煩悩を全て滅して最高の境地に達した人。小乗仏教では仏弟子の最高位とされるが、大乗仏教では衆生の救済を目ざす菩薩の下におかれる。

「月指」『楞厳経』から月を示そうと指さしても、肝心の月を見ないで指を見る。道理を説き聞かせるのに、本旨を理解しないで文字や言葉の端々にばかりこだわることをいう。


参考文献:董其昌集 二玄社
     デジタル大辞泉