2023-06-30 / 最終更新日時 : 2023-07-01 タオ 思慕の情 七夕の日にちなみ五十一首を(1)建礼門院右京大夫集から 1.天の河に 七夕には歌を詠む習わしがあった。作者は少々と謙遜しながら五十一首の歌をアンソロジーのように書き記す。 釈文:「年々、七夕に歌をよみてまゐらせしを、思ひ出づるばかり、せうせうこれも書きつく。」 選字は「年々七 […]
2023-06-29 / 最終更新日時 : 2023-06-29 タオ 思慕の情 ある心地よい春の日、物思ひにふける(3)建礼門院右京大夫集にて 3.次から次へと 釈文:「つきもせず 憂きことをのみ 思ふ身は 晴れたる空も かきくらしつつ」 選字は「徒支毛勢寸う幾こと越の三思布 美者は連多類空も可支供らし 都ヽ」 歌意は「次 […]
2023-06-28 / 最終更新日時 : 2023-06-29 タオ 思慕の情 ある心地よい春の日、物思ひにふける(2)建礼門院右京大夫集にて 2.晴れわたる空に 釈文:「晴れわたる 空のけしきも 鳥の音も うらやましくぞ 心ゆくめる」 選字は「晴連わ多流空農遣し記毛鳥の 年裳う羅やま志久曽心遊久免る」 鑑賞:「心ゆく」は気が晴れる、満足するの意。「 […]
2023-06-27 / 最終更新日時 : 2023-06-29 タオ 思慕の情 ある心地よい春の日、物思ひにふける(1)建礼門院右京大夫集にて 1.四方の梢も 釈文:「四方の梢も、庭のけしきも、みな心ちよげにて、あをみどりなるに、小鳥どものさへづるにこゑごゑも、思ふことなげなるにも、まづ涙にかきくらされて、」 選字は「四方の梢毛庭農け志支も美な こヽ地よ希 […]
2023-06-26 / 最終更新日時 : 2023-06-26 タオ 思慕の情 弥生の頃、資盛の命日に(3)建礼門院右京大夫集より 3.どうしましょう 釈文:「いかにせむ 我がのちの世は さてもなほ むかしの今日を とふ人もがな」 選字は「以可耳勢無わ可能遅の世八佐て毛奈 ほ無可しの計不越と布人裳 可那」 歌意は「 […]
2023-06-25 / 最終更新日時 : 2023-06-25 タオ 思慕の情 弥生の頃、資盛の命日に(2)建礼門院右京大夫集から 2.しくしくと泣くばかり 釈文:「かく思ひしこととて、思ひ出づべき人もなきが、たへがたくかなしくて、しくしくと泣くよりほかのことぞなき。我が身の亡くならむことよりも、これがおぼゆるに、」 選字は「可九思ひ し故とヽ […]
2023-06-24 / 最終更新日時 : 2023-06-24 タオ 思慕の情 弥生の頃、資盛の命日に(1)建礼門院右京大夫集から 1.あっけなく資盛を亡くして 釈文:「弥生の廿日余りの頃、はかなかりし人の水の泡となりける日なれば、れいの心ひとつに、とかく思ひいとなむにも、我がなかからむのち、たれかこれほども思ひやらむ。」 選字は、「弥生の廿日余り乃 […]
2023-06-23 / 最終更新日時 : 2023-06-23 タオ 思慕の情 ほととぎすの初音を聞きながら(5)建礼門院右京大夫集より 5.母と死に別れて 釈文:「別れにし 年月日には あふことも こればかりやと 思ふかなしさ」 選字は「わ可連爾し年月日に盤あ布こと毛 許れ者駕利やと思布可難志さ」 鑑賞:母を失い、資盛も亡き後、悲しみにくれて […]
2023-06-22 / 最終更新日時 : 2023-06-22 タオ 思慕の情 ほととぎすの初音を聞きながら(4)建礼門院右京大夫集より 4.五月二日は母の 釈文:「五月二日は、昔の母の忌日なり。心ちなやましかりしかど、手など洗ひて、念仏申し、経よむ法師呼びて、経よませて聴聞するにも、また来む年のいとなみは、えせぬこともやと思ふにも、さすがあはれにて、そで […]
2023-06-21 / 最終更新日時 : 2023-06-21 タオ 思慕の情 ほととぎすの初音を聞きながら(3)建礼門院右京大夫集より 3.ほととぎすの鳴く音だけは 釈文:「あらずなる 憂き世のはてに ほととぎす いかでなく音の かはらざるらむ」 選字は「あ羅春奈流うき世の者傳二本とヽ 支須い可弖奈九音能可者ら佐る覧」 現代語にすると、「何もかも、 […]