ある心地よい春の日、物思ひにふける(2)建礼門院右京大夫集にて

2.晴れわたる空に

釈文:「晴れわたる 空のけしきも 鳥の音も
    うらやましくぞ 心ゆくめる」

選字は「晴連わ多流空農遣し記毛鳥の
    年裳う羅やま志久曽心遊久免る」

鑑賞:「心ゆく」は気が晴れる、満足するの意。「心行く」とも書く。「める」は推量の助動詞。

歌意は「晴れわたる空のながめも、鳥の鳴き声もうらやましいことに、何の憂いもなく満ち足りているようだ。」

参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社