春の花が咲く中で(6)李白・月下獨酌四首から其ニを書く
6.三杯飲めば
「三杯通大道
一斗合自然」
書き下し文は、「三杯 大道に通じ
一斗 自然に合す」
「大道」とは真の道。根本の原理。
「一斗」唐の時代の一斗は今の約六リットル。
「自然」人間を含めての天地間の万物。宇宙。自ずからそうなる存在。
意味は、三杯飲めば真の道へ通じて、一斗を飲めば天地間の万物と一体に
なれる。
鑑賞:「三杯」で墨を入れて、連綿によどみがありません。
「大道」の「道」で横画を広げて強調しています。
「一斗」で長く引き伸ばし見せ場となっています。
右の行の「既」と調和が取れています。
参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社