春の花が咲く中で(7)李白・月下獨酌四首から其二を書く

7.酒を飲まないものには

 「但得酔中趣
  勿謂醒者傳


書き下し文は、「但だ酔中の趣を得て
        醒者に謂いて伝うること勿かれ」

「但」ひとえに。
「酔中趣」酔中の境地にひたり、満喫すること。
「醒者」酒を飲まない者

意味は、ひたすら酔中の境地にひたり、満喫するだけのこと、
酒を飲まない者には、その趣は絶対に教えない。

酒を飲むと、宇宙と一つになれると豪語する李白は、このとき四十四歳。
おりしも玄宗に仕えて翰林院に奉侍したものの、讒言によって三年で追わ
れることとなった頃でした。

酒・月・山を詠み、道教的幻想に富む作品を残しました。*①

*出典:①大辞泉 小学館
参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社