春の花が咲く中で(5)李白・月下獨酌四首から其ニを書く

5.聖人も賢人も

賢聖既已飲
 何必求神仙


書き下し文は、「賢聖 既に已に飲めば
        何ぞ必ずしも神仙を求めんや」

「何必」 必ずしも〜する必要はない。
意味は、聖人(清酒)も賢人(にごり酒)もすでに飲んだのだから、必ずしも
神仙を求める必要はないであろう。

鑑賞:「何必」は連綿で広げて、動きも軽快です。「必」は筆順が間違えやす
   いので注意してください。
   「求」は勢いを保ち、下部に配置しながら次の行につなげます。

   「神」は見せ場といって良いでしょう。簡略した字形の偏と旁を密着さ
   せながら、思いっきり伸ばして豪快です。

参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社