料理人の話を聞いて君子は(1)荘子を書く

1.牛を目で見ていない

荘子 祥香書

庖丁(料理人)は、手先の技にまさる道を求めているのです、と語っていました。
方今之時、臣以神遇、而不以目視、
 官知止而神欲行、依乎天理批
 大郤、導大(款+ウ冠)、因其固然


大意は「この頃では、私は目で牛を見ているのではなく、精神で対しております。感覚に基づく、知覚ではなくて、精神の欲するところで

働いています。天理、すなわち自然の本来の道に従って、大きな隙間に牛刀をふるい大きな空洞に沿って、牛を解体してゆきます。」

「天理に依り」、「その固然に因る」という庖丁の道が、知識による技術にまさると語っているところが特徴的です。技の習得にのみふけることの愚を語っています。

 参考文献:荘子 金谷治校注 岩波書店