住吉詣でをしたあの人から(1)建礼門院右京大夫集
1.あの人の名前は
これまで語られることのなかった恋人の存在が立ち現れる場面です。
「とかく物思はせし人の殿上人なりし頃、」
用字は、「登可九裳能おもは志人の殿上人な利しころ」
建礼門院右京大夫の恋のお相手は、平資盛と言われています。資盛は、平重盛の二男であり、殿上人であったのは、仁安元年(1166)から、寿永二年(1183)七月従三位に叙せられるまででした。
「父おとどのお供に、住吉にまうでてかへりて」
用字は、「父於とゝの御供璽
春みよ志二万有て可遍り弖」
ここに登場する父が内大臣重盛です。父親のお供で、住吉大社(大阪市住吉区住吉町)へ参詣して帰ったとき、建礼門院右京大夫に・・・。
参考文献:建礼門院右京大夫集 新潮社