2021-10-13 / 最終更新日時 : 2021-10-08 タオ 思慕の情 安徳天皇のお誕生など(3)建礼門院右京大夫を書きつつ 3.おとなりの笛の音も お隣から聞こえてくる笛の音さえも、作者には懐かし、昔の自分を思い返してしまいます。 「となりに庭火の笛の音するにも、としどし、内侍所に御神楽に、維盛の少将、泰道の中将などのおもしろかりし音ども、 […]
2021-10-12 / 最終更新日時 : 2021-10-08 タオ 思慕の情 安徳天皇のお誕生など(2)建礼門院右京大夫を書きつつ 2.遠く聞く宮のおめでた 心ならずも、宮中を離れた作者は、中宮徳子のお産や皇太子のお祝いを遠くから聞くことしかできません。以前であれば慶びの中にいられたものを、と残念に思い詠んでいます。 「雲のよそに きくぞかなしき […]
2021-10-11 / 最終更新日時 : 2021-10-08 タオ 思慕の情 安徳天皇のお誕生など(1)建礼門院右京大夫を書きつつ 1.宮のお産など 中宮徳子が二十四歳の治承二年(1178)十一月十二日に言仁親王(安徳天皇)をご出産になります。哀切とともに語られる安徳天皇の短い歴史が始まり、遠くから耳にする作者の姿があります。 「宮の御産など、めで […]
2021-10-10 / 最終更新日時 : 2021-10-07 タオ 思慕の情 宮仕へがなつかしく(5)建礼門院右京大夫集を書いて 5.遠いときの彼方へ 恋しく思い出すのは、宮中での琴や笛の演奏です。作者は、琴の名手であったと言われていたのでことのほか、思いが募るのでしょう。 「をりをりの その笛竹の おとたえて すさびしことの 行方しられず」 […]
2021-10-09 / 最終更新日時 : 2021-10-07 タオ 思慕の情 宮仕へがなつかしく(4)建礼門院右京大夫集を書いて 4.思い出の管弦あそび 宮中での琴を奏したことなどに想いを巡らせます。 「宮にて、つねに近くさぶらふ人の笛にあはせなど遊びしこと、いみじう恋し。」 選字は、「宮爾弖徒年二ち可佐ふら 布人のふえにあ者せなと遊ひし […]
2021-10-08 / 最終更新日時 : 2021-10-07 タオ 思慕の情 宮仕へがなつかしく(3)建礼門院右京大夫集を書いて 3.琴にはちりがつもり 何かにつけて、楽しかった宮中でのでき事などを思い出してしまいます。 「その頃、塵積もりたる琴を、『弾かで多くの月日経にけり』と見るもあはれにて」 選字は、「所のこ路遅利徒もりたる琴をひ可て […]
2021-10-07 / 最終更新日時 : 2021-10-06 タオ 思慕の情 宮仕へがなつかしく(2)建礼門院右京大夫集を書いて 2.中宮さまはうるわしく 中宮さまの面影が目に浮か美、懐かしさで胸がいっぱいになっていく作者は、 「『あさましく、かくてもへにけり』とかきくらし恋しく思ひまゐらせて、 恋わぶる 心をやみに くらさせて 秋の […]
2021-10-06 / 最終更新日時 : 2021-10-06 タオ 思慕の情 宮仕へがなつかしく(1)建礼門院右京大夫集を書いて 1.心ならずも 作者の右京大夫は、自分の気持ちからではなく宮仕えを退くことになったのですが、そのわけには様々な説があります。一説には、資盛との恋が人の葉に上り居ずらくなったとか、また母の夕霧の看病のためであった、などと […]
2021-10-05 / 最終更新日時 : 2021-10-04 タオ 思慕の情 わずかな移り香も(5)建礼門院右京大夫集を書く 5.恋の形見に かつて、木枕という木製の枕の上に籾殻などを入れた布製の小枕をのせ、それをおおう紙を敷いていました。その紙が涙で色褪せてしまったので、 「うつり香も おつる涙に すすがれて かたみにすべき 色だにもな […]
2021-10-04 / 最終更新日時 : 2021-10-04 タオ 思慕の情 わずかな移り香も(4)建礼門院右京大夫集を書く 4.はなだの薄様の枕が 夜遅く目が覚めて、あれやこれやと考えていると、ふと涙がこぼれてしまったのです。朝になって枕元を見やると、 「つとめて見れば、縹の薄様の枕の、ことのほかにかへりたれば」 選字は、「徒とめ弖 […]