俊成九十祝賀の贈答に(2)建礼門院右京大夫集から
2.宮内卿の歌に
釈文:「おくり物の法服の装束の袈裟に歌を書くべしとて、師光入道の女、宮内卿の殿に歌は召されて、紫の糸にて、院の仰せ事にて、置きてまゐらせたりし。」
選字は「お倶利も乃 の法服農装束の希散農歌を可久 遍爾う多は召されて紫の糸耳弖 院農仰せ事傳置支弖万井ら勢 多梨し」
鑑賞:「法服」出家者が着る晴れの装束で、公卿の束帯に相当する。「宮内卿」後鳥羽上皇の女房で、その歌の才能を見込まれて歌合せには大御所に混じって歌を詠む栄誉に預かったが、残念ながら夭逝している。
参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社